こうなると状況は一変する。アナログの時代は優位を保っていた日本製だったが、デジタルの時代になると、同じようにデータを送れるのならば、品質よりも価格の安い方が有利となり、その結果、ただ高いだけの日本製よりも、安い海外製のケーブルの方が選ばれるようになってしまう。
昔と比べて日本の技術力は落ちたと思われがちだが、決してこれは日本の企業の努力が足りないからではない。このようなデジタル化によって、『努力をしなくても良くなってしまった』という面の方が大きいのだ。
よく、「日本の企業がどんなに努力を積み重ねても、アメリカがルールをひっくり返してしまう」と言われるが、その実情というのは、大体こんな感じなのだろう。日本の企業は、努力を積み重ねる大変さよりも、いつルールをひっくり返されるか分からないというリスクの方が大きくなってしまい、その一歩を踏み出せなくなってしまっているのではないだろうか。(終)
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