やがてOh!Xが休刊になり、連載も中途半端な所で終わってしまったが、その数年後、『グランツーリスモ』が発売される。そして、そのプログラミングを担当したのが、当時Oh!Xで『車の挙動に関するシミュレーションの手法』について延々と書き綴っていた丹明彦氏(と、同じくOh!Xで記事を書いていた横内威至氏)だった。 それを知った当時のOh!X読者は、自分の知っている人が、まるでノーベル賞を受賞したかのような驚きを感じた。その陰には、数々のノーベル賞受賞者と同じように、誰にも理解されないような努力と研究の積み重ねがあり、そういった意味では、グランツーリスモというのは、Oh!X時代から続けてきた研究成果の発表の場だった、という訳だ(ただ、グランツーリスモの場合は、一度理論を構築し直しているので、当時の連載と直接は繋がらないそうだ)。