本物のフーリエ変換は「時間→速度」ではなく「時間→周波数」の変換になります。周波数とは、1秒間に振動する数のことで、音(=空気の振動)で言うなら、周波数が大きいほど高く、小さいほど低い音を表します。 さて、自然界の全ての音は、いろいろな周波数の音が混じり合ってできています。どの周波数の音がどのくらい含まれているのか、と言うことが、録音データをフーリエ変換(時間→周波数変換)することで明らかになります。 秋の夜長を鳴きとおす虫の声は、非常に高い周波数の音(1秒間に千回~1万回くらいの音の振動)が含まれますが、一方、一般の電話回線は、1秒間に高々数100回の振動の音しか伝送できず、従って電話で虫の声を聴くことが不可能なのが、ここから分かるのです。